METAL HAMMER 2014年9月号のBABYMETAL記事(動画あり)






 

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METAL HAMMER 2014年9月号の記事を訳されてます。いい記事と訳だYo(;_;) #BABYMETAL https://t.co/n1ZGWct1qS

— HIRO’@ (@bqa01312) 2014, 8月 19


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それは、実際に目にしない限り、とても信じることはできなかっただろう。2014年7月5日、何千ものメタルファンが聖地ネブワースを訪れた。2011年以来3年ぶりに開催された英国ソニスフィア・フェスティバルを訪れるためだ。そのメインステージに彼女たちはいた……日本から来た3人の10代の女の子は、キャッチーなポップメロディーに乗せて歌い踊っていた。彼女たちの顔は飛び切りの笑顔に溢れ、後に我々が知ることとなる「狐のサイン」を掲げていた。そして彼女たちの後ろでは、メタルの名演奏家たちが、白装束に揃ったフェイスペイントをして、正確無比で見事な手つきでモダンなサイジング・リフや酔いしれるリズムの集中砲火を浴びせていた。一方、観衆はというと――彼女らが登場した時点で相当数集まってはいたものの、彼女らのステージが終わる頃にはそれはもう巨大に膨れ上がっていた――正に狂うべくして狂っていた。これは果たしてメタルなのか? それともポップなのか? いや、これはそのどちらでもあり、そしてどちらでもないのだ。これはBabymetalだ。わずか30分にして、彼女らは、およそMaidenやMetallicaファンなどのハードコアな観衆を虜にしたのみならず、何よりも痛快なことに、ここにはいないより大きな群衆――うんざりするような皮肉屋や、ネット上で目立ちたがるように泣き声を発する人たち――を、その溢れんばかりの元気さで黙らせてしまったのである。意気揚々と、勝利を握り締め、そして誰の目にも明らかな奇妙さをまとって、Babymetalはやってきた。そしてイギリスはそれを受け入れ始めているのだ。 本国の日本ではこの2年間に大きな注目を集めるようにはなったが、海外にまで侵出するようになったのは今年の初めからである。YouTubeのリンクやブログの困惑した声が、SNSやロック・メタルサイトなどで取り上げられるようになった。もちろん、すべての人が最初からこのJポップとサンダーメタルの開き直った融合に魅せられたわけではない。日本では、商業ポップはより大きなポップカルチャーを構成する一要因として、広く受け入れられており、嫌味っぽい反発などは特に見受けられない。それとは極めて対照的に、イギリスのロック・メタルシーンには、レコード会社のお偉いさんの邪悪な思想から来たと思われるものをことごとく疑う姿勢が染み付いている。音楽はもっと真剣で、「ホンモノ」でなければならないとされている。Simon CowellよりMotorheadというわけだ。この壁は明らかだ。しかし、Babymetalの抗いがたい魅力の一つはというと、それが文化的な理由からにせよそうじゃないにせよ、まるでこの壁についてまったく感知していないといわんばかりの立ち居振る舞いにあるともいえる。

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音楽として見ると、現代のどんなメタルバンドにも劣らずヘビーであり、シャープである。では歌は? まあ、そうだね、甲高い、いかにもポップといった3人の声は、Slayerの往年のどんな名曲にもなかったものだ。ただ、そこから最終的にできあがったものは、おいしいほどに異国的(訳注:または地球外的)で風変わりだ。そのおいしさは、見るからに楽しげな熱気とも相まって、Babymetalに関する「メタルじゃない」という不満を虚しいものにしているほどだ。 OK、認めようじゃないか、興味津々だって。そこでMetal Hammerは、BabymetalがロンドンのThe Forumでライブをやった後日、ケイ・“Kobametal”・コバヤシにインタビューをすることにした。このバンドの隠すことのない商業性に対して浴びせられる冷ややかな視線が、果たして1ミリでも的を射たものなのか、それとも単に、人間が自らの常識的枠組みを超えた何かに出くわしたときに行う一種の条件反射でしかないのか、聞いてみることにしたのだ。その物腰は柔らかく、決して礼節を忘れない一方で、ケイは間違いなく、一人のメタルヘッドであった。ツアーマネージャーのノラの通訳を通して、彼はBabymetalの成り立ちについて喜んで話してくれた。

 

 

「僕は30年前からメタルの大ファンなんです。ただ、残念ながらメタルは古くなっていく一方で、メタルシーンはもうこれ以上大きくなる見込みはない。そこで新しいものを作ってみたいなと、誰もやったことのないことをやりたいなと思ったんです。Babymetalはそこから生まれました。アイデアは、正に天から降ってきたような感じでしたね。」

 

彼のバンドが悪徳ポップ商法の皮肉に満ちた副産物なのかと質問されることに対して、もしかしたらいずれはうんざりするのかもしれない。しかしケイは、少なくとも今回の取材では非常に快く答えてくれた。

 

「日本以外の人が、日本のポップシーンを理解できないことは理解しています。日本人とは反応が明らかに違いますからね。」

 

彼はうなずいた。

 

「長年のメタルファンとして、僕自身もよく『これはメタルじゃない。聞くものか!』って言ってきたんです。正直に言うと、僕はメタル原理主義者なんだと思います。一方で、メタルシーンはちっとも大きくなっていない。昔ながらのメタルバンドはまだ現役で、ファンベースもありますが、それはむしろ小さくなっている。だから日本のメタルを世界に売り込むには、普通とは違うオリジナルなものでなければならないんです。寿司みたいにね! 日本から寿司が来た頃は、誰も食べたことがなかったけれど、今では世界中の人が寿司を食べているでしょう。いま僕が仮にIron MaidenやMetallicaのような、どこにでもあるメタルバンドを始めたとしたら、そんなの誰も聞かないし、夢中にもならないはずです。いま日本にはよく知られたアイドル業界とJポップがあります。だから、Jポップとメタルの混合物を作ってみることは、日本のメタルや日本の音楽を表現するいい方法なんじゃないかと思ったわけです。結果として、みんな僕たちのすることを楽しんでくれているようですし。これぞ狐様のお力ですね!」

 

ああ、なるほど、狐様だ。ソニスフィアにいた人なら、Babymetalの間の抜けた、だが微笑ましい物語のビデオを見たかもしれない。なんでも、メタルを愛する狐の神とやらが、「メタルレジスタンス」を始めるためにBabymetalを作らせたらしい。一見すると支離滅裂に聞こえるが、これにはBabymetalの作曲過程をめぐる謎に対する非常に賢い、愛すべき伏線が隠されている。

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メタルメディアはこぞって、Babymetalの同名のデビューアルバムが、人気の高いクロスオーバーバンドMad Capsule Marketsのメンバーの能動的な参加の下で作られたのか、それとも単に策略に長けたプロデューサーのコネをもって敏腕な演奏家たちが集められただけなのかを勘ぐってきた。しかし、実際のところ、Babymetalの世界においてはそれは一文の価値もないどうでもよいことなのだ。多面的に作り込まれた独特の世界観を作り上げることによって、このようなありふれたものの見方をすべて迂回してしまったのである。これによって、すべての歯車は見事にかみ合うこととなる。 ケイは言う。「僕は常々、謎のあるメタルバンドに興味を惹かれていました。僕は、日常生活とはかけ離れた、みんながあれこれと詮索したがるようなものを作りたかったんです。ディズニーランドみたいな。…あれは現実じゃない、別世界に行くようなものです。そういうものが作りたかった。3人の女の子はそれに最適で、バンドをよく表しているからこそ選ばれたんです。彼女たちは素晴らしいシンガーであり、素晴らしいパフォーマーでもある。だから狐様やメタルレジスタンスの物語を創ったんです。彼女たちは、狐の神のお告げを伝える預言者のようなものです。ほかの誰とも違う。…そして面白いでしょう!」 ケイと話していてひしひしと伝わってくることは、彼はBabymetalがこれほどまでに海外でウケるとは想定していなかったということだ。母国の日本でもすでに期待を上回る成果を挙げており、3月に行われた伝説的な武道館での二日公演も完売させている。一日あたり2万人だ。しかし、世界のその他の場所を制覇することは容易ではないと思われていた。イギリスが、独自のルールを突き通そうとするものに対して冷ややかに、皮肉的に見る傾向があることなど、上でも述べた文化的差異があることは、言うまでもないハードルだ。結果的に、ソニスフィアでの経験は――会場を広くしたにも関わらず数時間で売り切れたThe Forumでのライブ経験は言うまでもなく――ケイとBabymetalに予想外の喜ばしい勝利をもたらし、彼らの将来にとても明るい見通しをもたらした。 ケイは振り返る。

 

「始めたばかりの頃は、実験している段階で、何もかもが挑戦でした。どうなるかはまったくわからなかったし、まさか短期間にこんなに大きくなるなんて予想していませんでしたね。ソニスフィアほど大きなフェスでやったことはなかったので、これほど多くのコアなメタルファンがどういう反応をするかはわからなかったですね。今は、世界中からたくさんのオファーを頂いています。アメリカではレディー・ガガのオープニング・アクトも勤めるし、カナダでもフェスをやるし、さらにもっと多くのワンマンライブもやります。来年はもっと多くの場所に行きたいし、これからどうなっていくのか楽しみですね。」

 

ケイは、正に自分の幸運が信じられないといわんばかりの大きな笑顔を見せる。

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結果的に、Babymetalは彼に巨万の富をもたらすかもしれないが、これが始まったきっかけは、純粋に音楽、そして経験に裏打ちされたものであったことは明らかだ。それから、忘れてはならないのは、女の子たちである。Metal Hammerは、The Forumで行われたステージの直前に、Su-Metalとその小さな仲間たちに少しだけ話を聞くことができた。彼女たちはワクワクしながら笑顔で挨拶してくれたが、日本人特有の大げさで人懐っこい礼儀正しさにも溢れていた。

 

「ソニスフィアでは本当に驚きました。あんなに大きなお客さんの前でやるのは初めてだったので。」

 

Su-Metalの顔は輝いていた。片時も忘れることなくプロとして振舞っているが、同時に純真無垢なティーンエージャーでもある

 

「最初に出て行ったときは『え!どうしよう?』って思いました。でもとてもいい経験になりました。日本のファンの方だと、言葉が通じるから、一緒に歌ったり掛け声とか反応があるんです。でも、イギリスのファンの方は、言葉はわからないはずなのに、ぜんぶ一緒に歌ってくれたんです! 一緒に狐のサインもやってくれて、本当に嬉しかったです!」

 

 

Babymetalの女の子たちは、みな日本のポップ・アイドル業界で歌やモデルなどである程度の経験は積んでいる。しかし、メタルシーンは非常に違った世界で、彼女たちはそれを大いに楽しんでいるようだ。Su-Metalは、ソニスフィアのバックステージでKirk Hammettに、彼が誰とも知らずに会ったときのことを興奮気味に振り返る。「普通の人に見えて、とってもいいおじさんだって。」彼女は、日本の観客がポップとメタルの両方のファンであることが多いのとは対照的に、ヨーロッパの観客の大多数をコアなメタルファンが占めていることについて、多少困惑した様子で話してくれた。明らかに、彼女たちのヨーロッパ遠征は、彼女たちの誰が望んでいたよりも大きな成功だったことは間違いない。そしてBabymetalの一員であることは、およそこの世の人たちが享受しうるいかなる喜びよりも大きな喜びであるだろう。もちろん、あなたがBabymetalを冷ややかに見ることは自由だ。そうしている間にも、このバンドは、マネージャーは、そして続々と加わるメタルファンたちは、この前代未聞の素敵な狂乱を楽しむことだろう。

 

「インターネットで、イギリスの人からコメントをたくさん頂くんです。YouTubeには、私たちのダンスを踊ってくださっている動画もいっぱいあって。こんなに嬉しい反響があるとは思ってもみなかったです。」

 

Su-Metalは目を輝かせて言う

 

「そういう反響を見てると、ああ、受け入れられているんだなって思います。夢みたいですね!」

関連動画

ソニスフィアでのライブ映像は何度見ても鳥肌が立つ・・

感動します

 

 

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